最近、多くの女性週刊誌やテレビ番組で「願望成就の電話占い」や「怖いほど当たる占い」のキャッチフレーズを目にします。電話占いって何だろうかと、気になっている人も多いかと思います。電話占いとは文字どおり電話で行う占いのことですが、恋愛の悩みや相談だけでなく、元カレとの復活愛を切に願う悩める女性などが、電話占いで別れた彼氏と復活愛が叶ったと喜びの声をよく耳にします。本当は愛し合っていても、この世の中には喧嘩別れしてしまうカップルや恋人が少なくありません。「わたしたちはもうあの頃には戻れないのでしょうか?」といった復活愛の相談がよく電話占いには寄せられているそうです。
実は電話占いにも大きく分けると、占い師による電話占いと霊能者による電話占いとあります。占い師による電話占いとは、姓名判断・タロット占い・四柱推命・風水・九星気学・西洋占星術などです。姓名判断は1番ポピュラーな占いですが、以前は街角に夜になると占い師が姓名判断で相談者の姓名からその人の運勢を占ってくれました。この姓名判断はもともと中国の漢の時代の陰陽五行説が起源で、人の姓名の字の画数からその人の恋愛運も分かるといいます。この姓名判断と生年月日から、その人の金運や恋愛運も決まってくると占いの世界では信じられています。
もうひとつの電話占いが霊能者による電話占いです。霊能者と聞くと、何か恐ろしいイメージもありますよね(笑)。2001年に野村萬斎さんが主演した 映画「陰陽師」は、もののけが徘徊していた平安時代に実在した霊能者の物語です。1980年代に入ると、テレビの番組で霊能者が登場し一躍注目を浴びます。たとえば宜保愛子さんなどです。宜保愛子さんは4歳の時に左目に火箸が当たり、失明しそうになります。その頃から霊的な存在を感じ始め、6歳頃から自分の霊能力をはっきり自覚したそうです。
電話占いがいつ頃からスタートしたかですが、1990年代にNTTがスタートさせたダイヤルQ2サービスの頃だと言われています。ダイヤルQ2サービスは電話の課金システムで、通話時間によって電話料金が課金される仕組みです。当初はいろいろなダイヤルQ2サービスがありましたが、結局その後はアダルト系と電話占いが多数を占めます。
電話占いがブームになる前は、有名な新宿の母のような街頭で占い師が占っていました。また占い師による占いは、戦後から日本国内の各地にありました。一方の霊能者による占いも、青森などの東北地方を中心に、亡くなった家族や行方不明になった人の霊を自分の身体に乗り移らせて言葉を語るイタコや、沖縄や奄美群島の民間霊能者のユタなどが有名です。
電話占いが本格的にスタートしたのは1990年代に入ってからですが、宜保愛子さんが1961年に初めてテレビ出演をしたのがきっかけでその後、霊能者の霊視や霊聴などの霊能力が注目を浴びます。そして日本テレビの「あなたの知らない世界」に宜保愛子さんが出演したことで、これまであまり知られていなかった霊能者の霊能力が広く一般の人にも認知されていきます。
さらに女性週刊誌の「女性自身」で宜保愛子さんが芸能人や著名人を霊視する企画が連載され話題になります。その後も青森県の元信用金庫職員だった木村藤子さんが、TBS系テレビ番組「中居正広の金曜日のスマたちへ」に出演したことで占いブームが起きます。木村藤子さんの名が世に知れたのは、1990年に青森県のむつ市内のデパートで開催された爬虫類ショーでアミメニシキヘビが逃げ、木村藤子さんがそのヘビの居場所を言い当てたのです。地元の青森では「木村の神様」や「ヘビの神様」と呼ばれた木村藤子さんは、同じ霊能者としても知られる美輪明宏さんが江原啓之さんと共に数少ない本物の霊能者として名を上げている霊能者です。
これらのテレビなどのマスコミの影響は大きく、これまでの占い師による占いだけでなく霊能者による占いも広く認知されました。それと共に電話占いも、次第にブームになっていきます。